V6〜SINCE1995 〜FOREVER-ライブ雑感

何十年もの間、いろいろなLIVEに行ってきた。

同じツアーに何回も行ったこともあれば、遠征したこともある。

 

ジャニーズのちゃんとしたライブは初めて。だもんで、いろいろご異論はあろうが許して頂きたい。今後精進してまいります。

 

DVDで嵐の国立競技場とかはみてた。V6もDVDではみてた。

 

そして、今回の20thAnniversaryの今回。

センターステージから四方に伸びる道の先にメインステージ、それをつなぐ外周の道。

各ステージでリフトアップダウンされるしかけ、メインステージ奥からメンバーが出てくるときの大きなジャングルジムのようなしかけ。そして照明。

大がかりなモノはそれくらいだ。炎が出たりテープが飛んだりはするが、基本的に6人だけの歌とダンスとMCで構成されている。

ジャニーズには定番のjr.がバックで踊ることもなければ、基本6人以外がステージにあがることもない。

これ以上ないくらいシンプルな構成は、6人の力の凄まじさを感じさせる。

 

ツアーというが、毎日本数こなしていくモノではなく、全員別の仕事をこなしながら1週間おき、2週間おき、ぽつんぽつんと行われるのだ。何十本のツアーで本数すすめていくにつれ、やっと体に染み込んできた、とか、馴染んできた、とかいうライブをずっと見てきた私は、このスケジュールで大丈夫なのかな、正直どうなんだろ、と思っていた。

 

ライブと一言でいってもいろいろある。正確にCDに近い音源を提供するというのもあるだろうし、歌唱力や演奏でオーディエンスを圧倒するというのもある。MCで惹きつけるというのもある。どれも魅力的だし心躍らせる。

 

V6はどうだろう。

今回の構成は、オープニング〜客席スタンディングのままのMC〜中盤〜座らせてのMC

〜後半〜アンコール〜ダブル〜(トリプル)だ。

20周年のAnniversaryということもあって、全シングルを怒濤のように放出する。20年間の集大成とあって、メンバー本人も振りを忘れているものもあったそうだが、デビュー当時の元気いっぱいな弾むようなダンスから、ここ何年かの静かだけどリズムも振付も複雑化したダンスまで そのペースは落ちることはない。MC30分、残り2時間半というところか。

V6は歌も上手い。全く違う6つの音色は、1つになったときにえもいわれぬハーモニーを醸し出す。どよめきが起こったのは、君君*1のアカペラだ。

 

V6ですかー、腹立つくらい歌上手いですよね、と職場の38才♂に言わしめた坂本くんの歌唱力は誤解を恐れずいわせてもらえば、ジャニーズにしとくのはもったいないくらいだ。いろいろな歌声を使い分ける。声ではない、歌声を使い分けるのだ(大事なことなので2回いいました)

MCのイノッチと思われがちで実際そうだが、彼の歌唱力も群を抜いている。この2人の歌を聴かずして、ジャニーズ歌下手くそとかいうんじゃねえよ、ってことだ。イノッチの泣きの歌声は何時間でも聴いていられる。

岡田くんは音をはずさないということを上手いというのであれば、上手い。V6の低音部を支えるのは彼だが、高音になるととたんに甘くなる。この辺はゴスペラーズ北山陽一氏と重なる部分が多いがそれはまた別の機会に。

剛くんの音は誰にも出せない。輪郭をくっきり縁取って、色鉛筆で薄くパステルトーンを塗ったような。私は彼の鼻にかかったような〈あー〉が好き。

健くんの、〈どこを切っても三宅健〉という揺るぎない声は、V6の歌の真ん中を支えている。彼が芯になって、メンバーのファルセットやシャウト、ウィスパーが多彩な彩りを添える。そして、この2人がラップに回ると最強だ。バツグンの安定感とリズム感は他の追随を許さない。嵐の櫻井くんのラップとは質が違う。櫻井くんは言葉だが、彼らは音だ。

長野くんの声は幅の広い倍音で、ソロを取ると他のメンバーと比べると声量がなく弱い感じがする。歌いながら音色が変わるのは彼だけだろう。突出して強い声ではない分、多彩な音色がぶつからないようにオブラートに包むような優しい音で全ての声をまとめる。

 

最初のMCは、たったままイノッチのリードで客席の年代別性別点呼を取る。これでメンバーと客席との1本だったラインが、オーディエンス同士の横のラインも浮かび上がる。子どもたち、男性、スタッフ、10代から80代までの点呼は、客席そのものも一体化してしまう。2回目のMCは客席を座らせてイノッチが回していくが、新しいアルバム、番宣、物販など必要伝達事項の他は、毎回変わる。いついっても同じことを話すアーティストも多い中、これには驚かされた。イノッチがメンバーに振りながら、笑いを引き出していく。イノッチと一緒に引っ張っていくのは健くんだ。自称、根はおばちゃん2人の回すMCは緩急織り交ぜて楽しい。メンバーもいつ何が飛んでくるかわからない。このMCの間、坂本くんや長野くんは楽しみながら身体を休める時間になっている。写真を使うところもあったから、イノッチは毎回MC小道具の打ち合わせも必要なことがわかる。剛くんが通販で買ったもののクレームを最終的には健くんが引き継いだ、という話は面白かった。イノッチが、オマエ買ってねーだろ!と何度も突っ込んでいた。

 

そして、私がなによりも感じたのは、彼らはアイドルだということだ。

普通のミュージシャンの場合、歌わなきゃ、プレイしなきゃ、ただのおじさんおばさんおにーさんおねーさんだ。彼らはそうではない。そこに存在するだけで、なにもしなくたって人々の心を掴んでしまう。彼らもそれをわかっていて、できるだけ客席近くにいこうとしてくれる。

横浜では、あろうことか岡田くんが2階スタンド席に現れた。1階席だった健くんがもみくちゃになって大変だったと聞けば、どれだけ危険が伴うかわかる。他の会場ではスタンドトロッコといって2階席の高さのトロッコに乗って会場を回った。下の方でごちゃごちゃやっているのではなく、目の前に来てくれるのだ。これがどこの席も神席といわれる所以だ。よく、ステージの上から、後ろの方までみてるよーとかいわれるが、正直、ほんとかよ、と思う。まぁ、黒い塊として見えるは見えるから嘘ではないのだが。今回はなかったが代々木のVロードや各会場のスタンドトロッコ、ドームとか大きいところじゃないからできるんでしょ、ともいえる。が、今回、オーラスの代々木は、東京ドームでできるくらいの応募があったそうだ。私も含めて、多くの人がチケットをとることができなかった。でも、それでも彼らは敢えて代々木を選び、聖地を選び、ファンの近くにいくことを選んだ。そして、それを救済するためにジャニーズ初のWOWOW中継、外での記者会見となるわけだ。

 

話がそれたが、会場中を歩きながら、メッセージのうちわを読みながら、ファンサービスという名で、目線を合わせ、ピースをし、手を振って、ハイタッチまでする。通路に落ちたテープを拾って渡し、子どもの頭をなでる。だいたいステージの上の人が客席をみるとき、個人というより客席全体をひとりのオーディエンスとしてみていて、アリーナ前列にいてアーティストと目が合ったと思ってもみられている感じがしたことはあまりない。が、彼らはちゃんとひとりひとりみていくのだ。健くんと目が合った、というより、みられた!と思ったのはそのあたりだ。だから、みてもらえないのもよくわかる。一列前をみているな、とか頭越しだな、とか、私でもわかるくらいだからVコン歴の長い人はもっとわかるだろう。

 

このアイドルアイドルしたパートとキレキレなダンスと歌のアーティストパート。MCのお笑いパートも含めれば、もう満足するしかないだろう。そして、思い出したように書くが、みんなイケメン(笑)

そして、もうちょっと足りないなぁくらいな絶妙な引き際でライブは終わる。

 

V6どうだった?と良くきかれる今日この頃だけど、一言で言うと「楽しかった!」コレに尽きる。たくさん笑ったし、歌ったし、惚れ惚れしたし、踊った(つもり)だし。

イノッチの最後の挨拶、「これからみんな現実に戻って大変だけど、今日のことを思い出していつも笑顔でいよう」そういうことだ。

 

岡田くんはみるたびデカクなっていて堂上教官*2も、深町さん*3ですら存在していなかったし、剛くんはこの人が殺人鬼*4とか絶対信じられないし、踊るイノッチはあさイチのMCではなかったし、坂本くんの手の先にフライパンは見えなかったし、長野くんのロイヤルスマイルには畑で汗する姿は想像できなかったし、健くんは奇跡のおじさんだった。

 

どんな仕事をしていても、きっとベースはここなんだろうな、20年掛けて培ってきたモノはここにあるんだろうな、と感じられた。次のライブはいつかわからないが、楽しみで仕方がない。それまで生きていよう!と強く思えた。人生折り返し点を過ぎて、新しい目標ができて、ただただありがたいばかりである。

 

 

*1:君が思い出す僕は君を愛しているだろうか

*2:2015年公開中の図書館戦争

*3:2016年公開予定のエベレスト神々の山嶺

*4:2016年公開予定ヒメアノール